「今日は心が来なくてさー」

部屋に戻った俺

祐一郎に絶賛グチり中です。

「……」

無口な祐一郎

「祐一郎クーン」

顔を覗き込んでみる

ありゃ

こいつ寝てやんの

んにゃろ

起きる前にペンで落書きしてやろうか

『肉』って

水性ペン水性ペン

油性じゃないだけありがたいと思いやがれ。

どーこーだー水性ペンクン

そぉっと水性ペンを探す

そぉっと

だから

ピリリリリリッ

メールの着信音が鳴ったとき

心臓が飛び出すほど驚いた。

神様が見てたのかな?

メールの主は……と

え、あれ?

登録してないやつからのじゃん

誰だろ

名前が表示されていないケータイの画面

メールアドレスにも見覚えはない

ん~?

ま、とりあえず

中身を見てみましょうか

カチカチカチカチ

えーと

これ、だよな?

ポチッとな

内容は

一言だけ

……いや、二言か?

『みっちゃん 助けて』

みっちゃんってのは俺のことだと思う

つまりこれは俺宛のメール

でも

『助けて』?

なんだコレ

いたずら?

迷惑メール?

だけどその時気づいた

俺のこと

『みっちゃん』なんて呼ぶの

あいつしかいないじゃん

ーー心

心が俺に『助けて』って……えぇえええええ!?

……待てよ

偶然かもしんないじゃん

もしくは心が俺んこと『みっちゃん』っつった時聞いてただけかも……

きっとそう

そう……だよね?

休んでいた心

理由は家の事情

そんなことがなければ

俺はそこまで心配はしない。

ただの迷惑メールだと思える

……が

何かあったのかな?

何もないよね?

ね?

『御家騒動ってのが起こるんだ』

ふと頭を擦ったのは

祐一郎のその言葉

それだけで

俺の短絡的思考は動いちゃうんですね

心が『助けて』っつってる?

なら……

助けに行きゃあいいじゃん

迷惑メールかもしんない?

知るかんなもん

0.01%でも心が『助けて』って言ってる可能性があるんだ。

俺は心を……この学園で初めて出来た友達を

助ける!