「どうしたの~?」

ただのいたずらのつもりだった。

けど……

「ひゃいッ」

……え?

女の子?

いやないでしょ。

ここに女の子がいるわけない。

「驚かせてごめんね~」

僕が謝ると、彼女……じゃない

彼はいきなり泣き出した。

僕何かやった?

「ごめ……ん?」

何をしたかはとりあえず置いておいて、

念のため謝る。

いざこざはなるべく起こしたくない。

「い、いや……
わ……俺迷ってて、人に会えてめっちゃ安心しただけで……」

……支離滅裂

なんとなくは分かったけど……

「そっかぁ
だったら僕が案内してあげる~」

「いいの!
ありがとう!
ほんっとに困ってたんだ」

女の子みたいに高い声……

僕も似たようなもんだけど……

「あ! そうだ!
わ……俺野田 さ……光也っつう名前な!
よろしく!」

光也……

「みっちゃん?」

「へ?」

「嫌だった?」

「そんなことない!」

ブンブンと首を縦に振るみっちゃん。

「よかったぁ」

楽しい友達ができたみたいだ。

退屈しないだろうなぁ。