ふゎあ

アクビを一つ

何となく周りが見えてきた。

ん?

何この状況……



そっか

昨日トランプしたまま寝ちゃったんだ。

「おい、起きろ
遅刻だぞ」

こいつら熟睡してら……

昔からやってみたかったあれ、やろうかな……

台所にフライパンないかな

あとおたま

それがあればできるんだけどな

フライパンとおたまを打ち付けて

ガンガンガンガン

ってやつ。

寮母さん的な

近所迷惑か?

もう七時だからいっか

うん

「フーライパンと〜おーたーまー
どっこにあるかな〜」

ピリリリリ

うわっ

ケータイか……

誰のだろ……って俺のじゃん

パカッ

液晶画面に映ったのは見慣れた名前

祐一郎?

「祐一郎
どうしたの?」

『……おい
"どうしたの?"じゃねぇだろ!
捜したってどこにもいねぇし!』

「ごめんごめん
聡たちの部屋に泊まってた」

『はぁ?
お前泊まったのかよ!』

「うん」

祐一郎……怒ってる?

『前も自覚を持てって言ったろ!
お前は女なんだぞ。分かってんのかよ!』

「俺は女だってことくらい分かってるよ?」

『そういう意味じゃねぇ!』

「じゃあどういう意味?」

『お前は女なんだから男と同じことはすんな』

「はぁ? 何言ってんの
ほんっと最近の祐一郎はおかしい……」

『おかしいのはお前の行動だろ!』

「……もういい、切るよ」

『沙耶香?おい沙……』

ブーブーブーブー

男だとか女だとか

意味分かんない……