「見せて頂戴」

ニコリと微笑む美女さん

それを見て俺も笑う

……苦笑いだけど

「無理です……」

「あら、そう?」

思ったよりも簡単にひいてくれた?

そう考え、油断したのがマズかった

美女さんの腕がサッと俺の手から封筒を奪う

「ちょっ、何するんですか!?」

「だって渡してくれないんだもの」

仕方ないでしょう?

なんて、無邪気に笑う美女さん

きっと聡やタコが見たら一瞬で骨抜きにされるだろう

でも俺にはそんな美女さんの頭から先っぽが尖った真っ黒な耳が見えたような気がした。