「僕は……異母兄を殺したんだ……」

ここまでは和風美人さんと同じ

「……本妻の息子……次期当主を」

「……そっか」

俺はさりげなく聞こえるように返事

「……それだけ?」

「……え」

一瞬、いつもの心だと直感した

問いかけてきた心の目はいつものようにキラキラと輝いた……ように感じた

けれどその瞳はすぐにさっきのくすんだような瞳に変わる

「……心」



今の瞳だ

キラキラと輝くような瞳に

変えなきゃ

変えなくちゃ



「心はさ……殺したいって思って……その異母兄が嫌いで殺したの?……いや、殺したのかはわかんないけど……」

ああもう

何が言いたいのかわからなくなってきた……

「……異母兄が嫌いだったわけじゃないんだろ?」

前後の文脈……繋がんないな

でも

和風美人さんも言ってたし

『仲がよかった』って

まあ俺はそんな昔から心を知ってるわけじゃないから、そのこともほぼ全くわからない

だから

「教えてよ、心
何があったの?
心は意味もなく人を傷つけるヤツじゃないだろ?」

心は、ときどきイタズラっぽいけど

やっぱり優しい

そんな心を知ってるから

俺は心を信用してる

心の……悲しみとか、そういうの全部

知りたいと、受け止めたいと願うんだ

友達として