「それじゃああとはあなたたちで友情深めちゃってね。キャッ」

先生はそう言うと、教室から出て行った。

「みっちゃん」

昨日の金髪美少年くん!名前はそう……

「心!」

「先生すごかったね〜」

うん……

「あんな先生いるんだって思った」

教師は聖職者って聞いたことあるんだけど

あれを見たら信じられない

「あ、そうだ
みっちゃん
僕の入学式の見た?」

へ?

「何を?」

「見てなかったの?」

俺は頷く。

ホントのこというと寝てた。

目ぇ開けたまんま寝てた

「えー
結構うまくできたんだけどな、
新入生総代のあいさつ」

は?

新入生総代?

ってことはまさか……

「首席合格者?」

「うん」

「……」

「……? どしたの」

いやいやいや

どしたのじゃないでしょ。

そんな想像しないよ、普通。

「すごいね」

この一言しか言えない。

皮肉とかじゃなく。

「えへへ
ありがと」

「ところで新入生総代とかだと何か特典ついたりすんの?」

「一人部屋になるの」

それは

「羨ましい」

「そうでもないよ
ちょっと寂しい」

な、なんと

「贅沢だよ贅沢!
何なら俺代わるよ?」

むしろ代わって欲しい

「そう?」

「もちよもち」

もちろんって意味ね。

「でもそれ先生怒るよ」

「だよね〜」

小学生基準ですが何か?

怒られるのは嫌だもの

俺たち優等生になるんだものなんだもの