「や、やっぱり異母弟とかだと仲悪かったりとか……あるんですか?」

「……いえ
むしろあの二人は仲が良かったの」

……え

予想外だよ

仲良いのに殺すっておかしいでしょ

意味が良く……てかまったくわからない

「まあそれも"ふり"だったのかもしれないのだけれど」

ふり?

……仲が良いふり?

そんなことができんの?

心ん家って怖……ん?

心ん家?

なんかひっかかる

この話って心ん家の話だよな

『悪ぃ悪ぃ
御子柴なら休みだろ
御子柴家の本妻に次男が生まれたって
結構ニュースになってたじゃねぇか』

聡は『御子柴家の本妻に次男が生まれた』って言ってた

次男ってことは上に一人いる……つまり上には一人しかいないって意味で

じゃあこの和風美人さんの息子さんを殺したのは……心?

……いやいやいや

待てよ俺

早まりすぎだろ

きっと愛人はたくさんいて……

「けれどそうは思いたくないわ
だってその子は息子のただ一人の兄弟だもの」

……ただ一人?

心が……?

ココロハヒトヲコロシタノ?



……俺の思考回路ストップッ

ああもうッ

落ち着けよ俺

少し落ち着いて和風美人さんとの会話を思い出せ

心はそういうヤツじゃねぇもん

『もしくは……殺されたともとれるのだけれど』

『もしくは』

そうだ!

その前の台詞

『……事故よ』

そうだよ

和風美人さんは『とれる』っつったんだ

なら事故なんだよ

心は人殺しなんてしてない!

きっとそう

今すぐ心に会いたいという衝動がこみ上げてくる

……が

依然として心に会えないのは同じわけで

俺進展ナシじゃん……