あぁ……

しまった。

しっかり話くらい聞いとけよ、俺。

「祐一郎ー
眠いー寝りゅー」

「おい紗耶香、こんなとこで寝るとかふざけんな
風邪ひくぞ」

「う…ん」

「おい、起き……」

は?

紗耶香を揺すっていた手が引っ張られ、

バランスを崩した俺は、紗耶香の隣に


……ポスン


腰掛けるかたちになった。

「腕、離せよ……」

「む〜」

余計に強く俺の腕をつかむ紗耶香。

「はぁ……」

すっげぇ無防備。

俺の理性を何だと思ってんだよ。

……それだけ俺を信頼してるってことか?

昔と全く変わらない寝顔。

それを可愛いと思い始めたのはいつだっただろうか?

「女なんだから自覚しろよ。
何されっかわかんねぇぞ」

コレ朝まで続けんのか……

あ、ヤベぇ

俺まで眠くなってきやがった。

寝てはいけない

分かってはいたが

俺は睡眠欲に負け

そのまま眠りに就いた。