アースィは小さな小さな子馬。
後から生まれた子馬よりも体がちっちゃくて、毛色も灰色で汚れて見えました。

だからか、あまり他の子馬たちと仲よくできません。

アースィに優しくしてくれるのは、お母さんと、ハトのクーグと、同じメスの子馬のコニィだけでした。


他の子馬より寂しい時もありましたが、アースィは優しい仲間に囲まれ毎日しあわせでした。


ところが、突然アースィに悪い事件が起こります。

お母さん馬が突然倒れて、そのまま目が覚めなくなってしまったのです。


森の賢者であるふくろうは、アースィに“羽を探しなさい”と言いました。

旅に出て、人びとの心に生まれる“羽”を集めるのです……と。


アースィは、クーグと共に旅に出ました。お母さんを助けるために……。


☆☆☆☆☆☆


「……こんなものかな」


ふう、と小さく息を吐いて色鉛筆をテーブルに置く。


“はねをさがしに”――。


あの、動物園で見た小鹿を見ていて、思いついたお話。まだ簡単なあらすじ程度だけど、大まかな流れをイメージして数ページ描いてみた。


最初は弱い子馬が、旅を通じて成長していくってベタなストーリー。シンプルだけど、旅に行く先々ではいろんな世界を想定してた。


(ハトのクーグ……お母さん馬に恋人になるコニィ。アースィは実はユニコーンとペガサスのハーフって設定)


とりあえず、今思いつく限りのキャラを描き起こして、具体的なイメージをデザインする。


そして、材料はどれがいいかを考え始めた。