きっとこんな風にジタバタしてるのは私だけなのだ。
さっきもそうだったけど、啓さんはちっとも変わらない表情で過ごしている。
気まずそうな空気を出すわけでもなく、むしろ私の方が嫌がっていると思っているらしい。
そんなバカな。
洗った長い髪を頭の上でぐるっとお団子にしてまとめて、その上にタオルを巻きつけた。
シャワーの湯気でのぼせそう。
さっさと出よう。
床に落として目撃された下着を身につけて、家から持ってきていた部屋着を着て鏡に映る自分に気合いを入れた。
頑張るのよ、私!
いつも通りに振舞って、テレビでも見ながらお酒を飲んで飲んで飲みまくって、ぐでんぐでんになって眠ろう!
意気込んで部屋へ戻ったら、啓さんはロンTとスウェット姿でベッドに寝転がってテレビを見ていた。
そして私に気づくと、
「さっきコンビニで酒買ってきたの?まだ飲むわけ?」
と呆れたように聞いてきたのだった。
「の、飲みましょうよ〜、せっかくですから!」
「もう俺、お腹いっぱいだわ。ビールひと缶飲めるか分からん」
「私は飲めますっ」
私だってお腹はいっぱいだけどさ。
テーブルに置きっぱなしにしていたコンビニの袋からお酒を取り出して、ビールを啓さんに渡した。



