青と口笛に寄せられて



『お母さんがペラペラと姉ちゃんの居場所とか今の仕事のこととか話してたけど、その様子じゃ既に別れてるパターン?』


さすが鋭い妹よ。
実写版コナンくんは君しかいない。
……と、冗談はここまでだ。
これは本当にヘラヘラ笑っていられない事態だ。


「別れてるよ〜。前の会社で社内恋愛してた元彼!」

『うっそ、ほんと?姉ちゃんに未練タラタラだったよ。会って謝りたい、仲直りしたい、って。てっきりうちらケンカしたんだと思ってさぁ……』

「どーすんのよ!ストーカーにでもなったりしたら!」


携帯に向かってぎゃあぎゃあ騒いで、そして思い浮かべる。
真っ白い雪の上に、静かに横たわる自分の死体姿………………、笑えないっ!


電話の向こうの妹は悪びれた様子もなく『大丈夫だってぇ』と笑っている。


『あの人姉ちゃんのどこが良くて追いかけてきたんだろうね?まぁまぁイケメンだったし他にも女の子なんていくらでもいるだろうに……』

「だから!後輩に寝取られたんだってば!」

『ご愁傷様です〜』


どっちの味方なんだ!
てゆーか、怜がおかしいんだ!
山田とそのまま付き合って面白おかしい楽しいオフィスラブを楽しんでればいいのに!


そこでハッと思い出した。
さっき里沙が言っていた言葉。
お母さんは怜を今も付き合っている恋人だと思い込んで、私の居場所やら仕事のことやら話したんだった。


と、いうことは…………。