総合で389点の明彦と勉強をしても、あたしが教えるばかりであたし自身の勉強にはならないんじゃないか?


そう感じたのだ。


この美と京一郎なら同じくらいの点数だから、お互いがライバルとなって成長することができるだろう。


でも、あたしと明彦ではレベルが違いすぎてライバルにもならないのだ。


明彦に勉強を教える事で自分自身の復習にはなる。


でも、あたしが問題に躓いても教えてくれる人はいないのだ。


やっぱり、明彦と一緒に勉強なんてできない。


その考えにたどり着いた時、あたしの脳裏には京一郎の顔が浮かんでいた。


学年1位の頭脳を持つ京一郎。


「あたしにふさわしい相手は京一郎かもしれない……」


ジッとトイレの床を見つめて、あたしはそう呟いたのだった。