いつもより30分早く学校に到着し、足早に教室へ向かう。


テスト結果は教室前の掲示板に張り出されるようになっているのだ。


10位以内に入っている自信がある生徒たちはすでに数人登校して来ていて、肩を落としたり、喜んだりしている姿が目に入った。


あたしが掲示板の目の前に立った時、後ろから声をかけられた。


振り向くと、明彦が立っていた。


「明彦、どうしてこんなに早く来てるの?」


驚いてそう聞くと「知世が何位か気になって」と、頭をかきながら言った。


「そっか、ありがとう」


あたしはほほ笑む。


残念ながら明彦が10位以内に入ると言う事はまずありえない。


だから、早く登校して来る意味なんてないのだ。


「さすが知世、すごいよな」


明彦にそう言われ、あたしは首を傾げた。


「ほら、あの順位だよ」


明彦は張り出された順位を指さしてそう言った。


そう言えば明彦はあたしより先にここへ来ていたから、先に結果も見ているんだ。


そう思いながら、視線を明彦から順位表へと移す。


「すごいよ知世。女子で2位なんてさ」


自分の名前を見つけるより先に明彦がそう言った。