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お土産屋から少し戻った場所にあるソフトクリーム屋は、今もだま行列ができていた。


列の人たちをザッと見ても、さっきの男性客はいない。


ついでに怖そうな人がいない事も確認して、あたしはソフトクリームの受け取り口へと向かった。


「あ、すみません列の後ろからどうぞ」


窓の中から手を止めずにそう言ってくる店員。


「さっき、割り込みしてきた人がいるんだけど」


カウンターをバンッ!と叩き、あたしはそう言った。


驚いた表情を浮かべる店員を睨み付ける。


「あ、それは気が付かなくて、申し訳ありませんでした」


そう言いながらも、作業の手は止めない。


「謝るならちゃんと謝れよ!!」


あたしは怒鳴りちらし、さっき自分たちが座っていたベンチを蹴り上げた。


誰も座っていないベンチは想像より軽くて、簡単にひっくり返ってしまった。


しかし想像以上の大きな音が響き渡り、列に並んでいた人たちが静まり返ってあたしを見る。


「も、申し訳ありませんでした!」


慌てて手を止めて頭を下げる店員。


しかし周囲の目を気にしている事がバレバレだ。