「さすが、知世だな!」


明彦は目を丸くしてそう言い、あたしの点数を何度も見直した。


「明彦はどうだった?」


「お、俺? 俺も……まぁまぁだよ」


あたしの点数を見て焦った表情を浮かべる明彦。


あたしよりいい点数が取れたと思っていたのかもしれない。


なんだか少し申し訳ない気分になるけれど、明彦は明彦なりに頑張ったんだから、それでいいと思う。


ふと明彦が持っているテスト用紙に視線を落とすと、78点という数字が見え隠れしている。


テスト用紙を2つに折って点数を隠しているつもりなのに隠しきれていない。


そういう所が明彦の可愛いところでもあった。


78点という微妙な点数も、明彦なら許せてしまうから不思議だ。


「明彦もよく頑張ったね」


あたしがそう言うと、明彦は照れたように顔を赤くしたのだった。