この園内で育てられている牛の乳で作ったソフトクリームらしく、ソフトクリーム1つにつき牛のストラップが1つもらえるみたいだ。


だからこんなにも大盛況なのか。


ストラップをもらうために家族分を購入し、小さな子供も丸々1つを頑張って頬張ったりしている。


しかも家族連れが多いので、列はなかなか前には進まなかった。


「長い列だな。知世はベンチに座って待ってればいいぞ?」


明彦がソフトクリーム屋の前に置かれているベンチを指さしてそう言った。


「でも、1人で並ばせるのも悪いし」


「大丈夫だって。俺の方が体力あるんだし」


明彦はそう言い、力こぶを作って見せた。


「それじゃぁ、お願いしようかな」


広い園内を歩く事にも疲れていたあたしは、明彦の言葉に甘えてベンチに座って待つことになったのだった。