「花梨……助けて!!」


そう叫ぶと、花梨がハッとしてあたしを見た。


そして苦痛に顔をゆがめる。


「正直、お姉ちゃんをこんな風にしたのが知世だなんて、信じられなかった……」


「ち、違うよ花梨! あたしじゃない! 全部この人たちの勘違いだから!!」


「……本当にそうなら、よかったのに……」


花梨はそう言うと、女の手を掴み背を向けた。


「ま、待ってよ!!」


「ごめんね……」


花梨は小さくそう言うと、リビングを出て行ってしまったのだった……。