また、誰かがあたしの体を踏みつけている。


その感覚に目を覚ました。


視界はぼやけていて相手の顔がわからない。


北乃リナの家に連れ込まれてどれくらいの時間が経過したのだろうか?


周囲に視線をやるとあたしへの罵声を飛ばす人や、もうあたしに興味をなくしてリビングでくつろいでいる人もいた。


「京一郎……」


あたしはかすれた声で名前を呼ぶ。


「なぁに?」


すぐ近くで声が聞こえてきて、あたしの意識ははっきりと戻ってきた。


見ると、あたしは踏みつけられているのではなく、京一郎に馬乗りになられていたのだ。


ホッとするのもつかの間、京一郎の手があたしの太ももに触れた。


咄嗟に逃げようとするが動けるような体力がすでに残っていなかった。


「なに……するの?」


「なにって、わかってるくせに」


京一郎が笑う。


「ノートを貸したんだから、お返しをしてもらわないと。ね?」


京一郎の言葉にサッと青ざめる。


まさか、ここで……!?


「ちょっと、やめてよ!!」