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あたしは1人で学校を出て、真っ直ぐ北乃リナの家へと向かっていた。


一度行った事があるから大体の道は覚えていた。


自転車の持ち主である北乃リナに話を聞けば、きっと何かがわかるはずだ。


あたしは火傷の痕にそっと触れた。


結局保健室で手当てはしてもらっていないので、傷口がむき出しになっている。


熱を帯びていて痛みとかゆみを同時に感じ、かきむしってしまいたい衝動に駆られる。


それを我慢しながらあたしは家の前まで来て駐車場を確認した。


昨日と今朝みたあの自転車が置かれている。


あたしはグッと拳を握りしめた。


何が何でも北乃リナから話を聞きださなくてはいけない。


あたしはやられっぱなしで終わるような人間じゃないと言う事を、相手に思い知らせてやらないといけない。


あたしは勢いよくチャイムを押した。


前回と同じように家の中からバタバタと足音が聞こえて来る。


しかし、いくら待ってみても人が出て来る気配がないのだ。


あたしはもう一度チャイムを鳴らした。


家の中に人の気配はちゃんとある。


自転車も車も駐車場に止まっているから、間違いなく人はいるはずだった。