昼になり、花梨と2人で屋上に出てお弁当を食べていた。


「最低」


花梨は今日何度目かのため息とともに、そう言った。


「そんなに気にすることないのに」


あたしがそう言うと花梨は目を見開いて「知世は京一郎の事が好きなんじゃなかったの!?」と、言って来た。


「そうだけど、恋愛は自由だもん」


京一郎の相手は保健室の先生だった。


相手が先生だった問う事には驚いたけれど、そのことをあたしがとやかく言う立場ではない。


「知世ってさ、本当に京一郎の事が好きなの?」


花梨の言葉にご飯粒が気管に入り思わずむせてしまった。


「す、好きだよ?」


「それにしてはすごく冷静だよね?」


「そ、そうかな?」


「ねぇ、京一郎なんてやめなよ。知世が好きだって言うから黙ってたけど、女遊びが多いって噂だよ?」