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朝から最低な火傷をしたあたしだけれど、1つだけわかった事があった。


あの自転車は北乃リナの家にあったものとよく似ていると言う事に気が付いたのだ。


あの自転車には学校のステッカーが貼られていなかったけど、北乃リナの家から○×高校までなら徒歩通学になるからステッカーが貼られていなくても不思議じゃない。


「でも、変なんだよなぁ」


教室で1人、あたしは呟いた。


朝の早い時間のため、まだみんな登校して来ていなかった。


自転車に乗っている女の後ろ姿が北乃リナのものとは一致しないのだ。


北乃リナとは一度会っただけだけれど、髪は胸にかかるくらい長かった。


でも、昨日今日と会っている人物はそこまで髪も長くないのだ。


誰から北乃リナの自転車を借りて、あたしに嫌がらせをしている。


そう考えるのが自然だけれど、わざわざそんな周りくどい事をする理由がわからない。


あたしはガシガシと頭を書いた。


とにかく、今は誰も信用できない状態だった。


今まで周囲にしてきた事を思うと自分を恨んでいる人間の数は本当に多い。


そういえば、あたしが繰り返しクレームを入れたことで仕事を辞めてしまった人もいたっけ。


昔の出来事まで思い出してあたしはため息を吐き出した。


クレームを入れ始めた時は加減がわからず、人の人生を変えてしまうほどの事をしてしまっていたのだ。