それからあたしは果歩を散々バカにしてののしった。


果歩が買って来たBBCのシングルを突き返して帰らせると、ようやく気持ちが落ち着く事が出来た。


そして、ふと京一郎の存在を思い出していた。


ついさっきまで一緒にいたのに、不安が京一郎の存在をかき消してしまっていたのだ。


あたしは部屋へ戻るとさっそく京一郎へ連絡を入れた。


朝だってあたしを助けてくれたんだ、帰りに同じ自転車の女に罵声を浴びせられたと言えば、きっと心配してくれるだろう。


そう思い、あたしは京一郎にメールを送った。


しかし、いくら待っても京一郎からの返事はない。


仕方なく机に向かい京一郎のノートを参考に勉強を始めたのだった。