「この美が本当にノート目当てなら京一郎が女ったらしでも別れたりしないでしょ? この美は本気で京一郎が好きだった。だから耐えれなくなったんだよ」


あたしがそう言うと、京一郎はハハッと声を出して笑った。


「その通り、この美は本当に俺の事が好きだった」


「どうしてノート目当てだなんて嘘をついたの?」


「それは……」


京一郎は立ち止まり、あたしの手を引いた。


その力にあたしは気が付けば京一郎の腕の中にいた。


「平仲さんの気を引くため」


耳元でささやかれて、少しの嫌悪感を覚える。


この男と本気でセックスができるかどうか不安だ。


「あたしの事が好き?」


そう聞くと、京一郎はあたしの手を離して「うーん……」と、うめき声を上げた。


「2位になった時の平仲さんの悔しそうな顔は、好き」


京一郎はそう言い、笑ったのだった。