昼休みになり、あたしは花梨と2人屋上へ来ていた。


今日は天気が良くて眠ってしまいそうな日差しだ。


「ねぇ、さっき教室で明彦とこの美が2人でご飯食べてたよ?」


少し言いにくそうにそう言う花梨。


「うん。あたしが2人で食べればって、セッティングしてあげた」


「はぁ? なんでそんなことするの!?」


花梨はまだあたしと明彦がやり直せると思っているのか、声を大きくして言った。


「この美は明彦の事が好きなんだって」


「それは見てればなんとなくわかるけど、でも明彦はまだ……!」


そこまで言い、口を閉じる花梨。


もしかしたら、明彦から何か相談を受けているのかもしれない。


でも、あたしはもう明彦と付き合うつもりはない。


京一郎と付き合えるチャンスが目の前に転がっているのに、逃すはずがなかった。


「この美はあたしと京一郎を応援してくれるって言ってる。だから、あたしもこの美と明彦を応援することにしたんだよ」


「……本当に、京一郎の事が好きなんだ?」


「……そうだよ」


あたしは、花梨へ向けて嘘をついた。