「え、いいの?」


この美が驚いたように目を見開いた。


「いいよ。だって応援するって言ったじゃん」


「そうだけど……京一郎の事黙ってたのに……」


この美の言葉にあたしは思わず笑ってしまった。


京一郎が女ったらしなのは、あたしにとっては好都合だ。


どんな理由であれ、近づけば必ず相手にしてくれる。


京一郎と付き合う事ができなくても、あのノートを見せてもらえればそれでいいんだから。


「そんな事気にしなくていいよ」


あたしはそう言い、ほほ笑んだのだった。