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この美に呼び出されるなんて予想外だったけれど、あたしは言われた通り学校の近くの公園まで来ていた。


大きな公園で広場の方には小学生の男の子たちが集まり、サッカーをしている。


公園の入り口付近にあるベンチで座って待っていると、この美が走ってやって来るのが見えた。


「急に呼び出してごめんね」


少し息を切らせながらそう言い、あたしの隣に座る。


「別にいいけど」


あたしはぶっきらぼうにそう返事をした。


こうして公園でこの美と2人ベンチに座っているなんて、居心地が悪すぎて今すぐ帰りたい衝動に駆られる。


「で、話ってなに?」


くだらない話ならほっといて帰ってやろう。


そう思って聞くと、この美は目を伏せて口ごもってしまった。


「実はね……あたし前から明彦の事いいなって思ってて……」


頬をピンク色に染めてそう言うこの美に、あたしは目を見開いた。


この美が明彦の事を?


そんなの全然気が付かなかった。