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この日は勉強もはかどり、気分よく眠りにつく事が出来た。


夢の中に果歩が出て来たけれど、夢の中でも果歩は果歩で、あたしに忠実なしもべだった。


早く起きて、学校でまた果歩をいじめてやろう。


まだ夢の中にいるのにそんな気持ちになっていた。


朝になり目が覚めてからもその気持ちに変化はなく、あたしはベッド中で小さく笑った。


そういえば昨日は果歩をトイレに置き去りにして帰ったけど、あの後ちゃんと目を覚まして帰ったんだろうか?


学校からも何の連絡もないし、きっと1人寂しく帰ったんだろうけど。


そう思いながらベッドを置きだし、パソコンを付ける。


昨日の書き込みにどのくらいの返信が来ているか楽しみだ。


ワクワクした気持ちでサイトに接続してスレッドを表示させる。


するとそこには300件近くの返信が来ていた。


「うわ、すごい……」


思わずそう呟く。


恋愛の話題になったとたん一気に跳ね上がる。


一つ一つを読んでいる暇はないので、とりあえず流し読みをしていく。


そのどれもが明彦への批判であり、あたしを可愛そうだと慰めるものだった。


悲劇のヒロインになるのは、誰かを怒鳴り散らしている時と同じくらいに心地いい。


しかし、ある文字が目についてあたしは動きを止めた。


《名無し;特定しました》