たしか店員の名前は三村だった気がする。


確かに、そんな名前の店員はいない。


「休みなんじゃないの?」


そう言うと、花梨は首を傾げた。


「今日も出勤だって言ってたのになぁ」


いつの間にか花梨はあの店員と仲良くなり、色々と会話をするまでなっていたようだ。


「へぇ」


あたしは気のない返事をして眠気覚ましのガムとドリンクをレジに置いた。


「いらっしゃいませ」


男性店員が鳴れた手つきでレジを打つ。


「ねぇ、今日三村さんは?」


あたしの横から花梨がそう聞いている。


「三村さんは昨日突然辞めちゃったんだ」


男性店員は花梨に軽く会釈をして、そう答えた。


「辞めたって、どうして!?」