―Side Yuu―




学校帰り、顔の前にスマホをかざすと揺れる猫のストラップ。



間瀬くんって、案外かわいいのが好きなんだ。



彼の顔を思い浮かべると、ついにやけてしまう。



家までの道のり。



いつもと変わらない景色なのに、今日はなんだか違って見える。



通り沿いにある店から漏れ聞こえる、ありふれたラブソングも、今日は特別に聞こえる。



幸せが滲み出して、『こんなつまらない世界』なんて感じて無気力だった日々を、



ちょっとだけ頑張って生きてみようか。なんて思える。



バカみたいに単純だけど、それはそれでいっか。



なんて珍しくポジティブに考えてる自分がいた。