「ちょっ、どいてー!」

「えっ?」

桜の木を見上げた時、黒い影が私に近づいてくるのが見えた。

「ちょっ、待っ!」

「あ、危ない!」

そして、私は上から飛び降りてきたらしき人物とぶつかってしまった。

「いった…」

「ご、ごめん。大丈夫?」

(男の人の声?)

ちょっと頭をぶつけたけど、大丈夫なようだった。

「はい、私は大丈……」

顔上げた時、男の子の顔が目に飛び込んできた。

瞳の色は、綺麗な青色で、髪の色は緋色だった。

髪は、風になびいて揺れていた。

そして、再び感じた。

「キラキラ…?」

「えっ…」

ハッと我に返り、私は急いでどいた。

「ご、ごめんなさい!」

「い、いやこっちこそごめん」

私たちは、背中を向けて座り込む。

(ど、どうしよう。絶対変な子だって思われた)

服装からして、きっと三年の先輩なんだろう。

(入学そうそう、やらかした…)

私は、心なかで頭を抱える。