「まぁ、噂だから」

架純、絶対この噂楽しんでるよね?

「でも、永久は先輩好きだもんね」

「う、うん」

私は、恥ずかしくなってカップに入っている紅茶を飲む。

「私的には、二人にはここまま幸せになってほしいけどね」  

「私も、このまま先輩の傍に居れたらいいなって、思ってるんだ」

先輩とずっと居られるには、私は何をしたらいいのかな?

好きってだけじゃ、先輩の隣には居られない。

「そんな直ぐに決めなくていいじゃん、まだ二年あるんだし」

「そうだけど」

先輩と過ごせるのは、この年が最後だから。

「そうそう、話変わるけどダンスパーティの内容聞いた?」

「内容?」

「なんだ、聞いてないんだね。今回のダンスパーティ、男子の方から女子を誘って、一緒に会場に行くんだってさ」

「へー、そうなんだ」

男の人が、女の人をか…。

「まぁ、会長は真っ先に永久を誘うと思うけどね」

「だったら、嬉しいなぁ」

私は、先輩とダンスパーティに参加したい。

「あ、あの稲美さん」

「え?」

私のすぐとなりで、知らない男の子が私に声をかけてきた。

「あの、どちら様?」

「す、すいません。急に声をかけて、あの俺…、同じ特進科の浜野慎治(はまのしんじ)です。稲美さんに話があって来ました」

私は、架純と顔を合わせる。

(これって、まさか…)

「あ、あのよければ、今度のダンスパーティ俺と一緒に行きませんか?」

やっぱり、ダンスパーティのお誘いだよね…。