「じゃぁ、周りの人も気づいてるのかな?」

「いや、多分それはない」

「なんで?」

「だって会長だよ、あの怖い会長を誰が見ようとするの?」

さりげなく酷いことを言っているようなぁ…。

「でも、永久が会長を好きだってことは、周りの女子は気づいてるかもね、噂があるし」

「う、噂?!」

な、なんの噂?

そんなものがあるなんて知らなかった。

「その噂ってのはね、先輩の弟の時夜居るじゃない?」

「うん」

「それで、時夜がじっと永久を見ているの知らない?」

「そ、それは知ってるよ」

監視されているからね、きつい視線が来ているのに直ぐに気づく。

「なんだ、気づいてたんだ」

「ま、まぁね」

「じゃぁ、噂の内容簡単に説明できるじゃん」

「え…?」

私は、緊張しながら架純の言葉を待った。

「なんと、会長と永久と時夜の中で、三角関係が出来てるんだって」

「え……、えええ!!」

さ、三角関係!!

「会長を好きになった永久、でも会長は永久に興味がなくて、でもその弟は永久を好きってね」

だ、誰がそんな噂作って広めたの?!

「ひ、酷い!先輩が私に興味ないとか勝手に決めつけて!そんなことないのに…」

「お、落ち着いて、ただの噂だよ。それに、まだ話の続きがあるんだよね」

「聞きたくない…」

「それでねーー」

架純の話は止まらなかった。

「永久に興味がない会長、それに悲しむ永久、それを慰める時夜、そして永久の中で恋が芽生え始める、でも先輩を諦められない。そして、会長は永久が大事な存在だと気づき、兄弟で取り合いってね」

「なんで噂なのにそこまで話盛ってんの?!乙女ゲームじゃん!!」

時夜君が私を好きとか絶対ありえない。

あんなことされたし、先輩と私の仲を裂こうとしてるし。