「だから、寂しくないよ」

男の子は、小指を出してくれて、それを私の小指に絡めた。

「約束だよ。僕の小さなお姫様」

「うん!」

指切りを交わした私は、黒服の人たちのところに向かう。

そして、思い出して私は叫ぶ。

「ありがとう!あのね、私の名前は稲美永久!あなたの名前は?!」

「ぼく?僕わね――」

そこで、私の記憶は途切れてしまっている。

私は、そこで目を覚まして、部屋のカーテンを開ける。

「んんん」

大きく伸びをして、空を見上げる。

「よし、今日から新しくスタートだ」

十六歳の春、私は新しい出会いを経験をして恋を知る。