「永久、大丈夫?」

「え?なにが?」

「今の…、っていいや何でもない」

「?」

私は、軽く首を傾げる。

結局先輩には聞けなかった。

今の先輩には、聞けない気がした。

(本当に先輩は、私が好きって伝えたら、受け入れてくれるのかな?)

私のなかで、不安がつのった。

そのあとは、いつも通り授業を受けて、放課後になった。

「よし、今日も終わった!」

「そうだね」

私の隣に居る先輩は、何かの資料に目を通していて、話しかけられない状態だった。

「私、車来てるから行くね」  

「うん、また明日」

架純は、小走りで教室から出ていった。

教室には、数人が残っていたけど、徐々に人は減っていき、教室に残っているのは、私と先輩だけになった。

「……」

「……」

無言の世界。

先輩は、私に気づいていないのか、資料に目を通している。

(先輩…、大変そう)

何か、手伝えることないかな?

でも、そろそろ迎えが来るし。

私は、鞄から小さなメモ帳を取りだし、書きたいことを書いて、そっと先輩の机の角に紙を置く。