先輩は、私の視線に気づくと微笑んでくれた。

(か、可愛い…)

ついそんなことを思ってしまった。

「あのさぁ、あんたらもう付き合ったら?」

「ええ!」

か、架純?!

いきなりなに言ってんの?!!

「だって、二人でそんなに見つめあってさ、永久も先輩のこと好きでしょ?」

そ、それはそうだけど、まだ人と付き合うなんてよく分からないし。

「いいんだ。まだ」

「先輩?」

先輩は、私の手を握ると、顔をのぞきこむ。

「僕は、まだいいんだ。永久が好きだって言ってくれるまで、僕は待ってる」

「先輩…」

先輩の言葉で、先輩がどれだけ私を好きなのか伝わってくる。

「先輩って意外と独占約強いかと思っていたけど、永久のことちゃんと考えているんですね」

「だって、大好きな子だからね。小さい頃から」

「小さい頃…」

その時、私の中で遊園地のことが過った。

「そうだ、先輩!」

「ん?」

「私、先輩に聞きたいことがあるんです!」

いろいろとあって聞けなかったこと。