私と時夜君が生徒会に任命されて、お昼休みーー。

「はぁ…」

私は、架純と一緒に先輩と待ち合わせた場所に向かっていた。

「災難だね永久…。会長に任命されて、それにその弟と一緒なんて」

「いや…、それは別にいいんだよ」

多分断るなんて出来ない。

私が心配なのは、先輩の近くにいて自分のドキドキを抑えられるかどうか。

「それならいいけど。それで、今はどこに向かってるの?」

「えっと、会長のところ」

「え!!なんで?!」

「先輩がお昼休み学園の中案内してくるって、言っていたから」

「そ、そっか…。あんた、度胸あるね」

「え?」

そうかな?

「だって、会長に近づく人なんて、滅多に居ないからね」

そうだよね、先輩怖いし…。

でも、本当は優しい人なのに。

「大丈夫だよ、先輩は優しいから」

「あの入学式と教室の出来事を目の当たりにして、優しいなんて思えないよ」

「でも、先輩の素顔知ったら、そんなこと思えなくなるよ」

「先輩の素顔って?」

「会ってからの、お楽しみ」

私たちは、待ち合わせである桜の木へと向かう。