手を握った時、私の視界がキラキラと輝き始めた。

「キラキラだ!」

「ねぇ、まず何乗る?」

「あれ!」

私は、さっき乗れなかったメリーゴーランドに指を指す。

「いいよ!折角だから馬に乗ろうよ」

「でも、届くかな?」

「大丈夫だよ」

男の子は、簡単に馬にまたがる。

「す、凄い!」

「ほら」

私は、男の子の手を握って男の子の前に座る。

「これ、お姫様みたい!」

「お姫様?」

「うん!白馬の王子様がお姫様と一緒に馬に乗ってるの!」

私は、自分の中で想像を膨らます。

「君、面白い子だね」

「そうかな?」

「うん!」

男の子の笑顔に、私は釘付けになっていた。

よく見れば、顔立ちは綺麗で、つんつんしているように見える緋色の髪は、風になびいていた。

その間に、薄い黄色の髪が混じっていて綺麗だった。

メリーゴーランドを降りたあと、私は男の子に連れられていろんな乗り物を乗った。

気がつけば、もう日は沈み始めていた。

「あ、そうだお迎え!」

「お迎え?」

「うん!ママが呼んでくれたお迎えが、もう来てると思うの」

私は、遊園地の入口に目を向ける。

入口近くには、黒服を着た人たちがいっぱい居た。

「じゃぁ、帰らないとね」

「う、うん…」

でも、帰りたくなかった。

帰ったら、また一人になってしまう。

そんな私の様子に気づいた男の子は、私の手を握っていってくれた。

「大丈夫だよ。君は僕の小さなお姫様だから」

「お姫様?」

「そう、だから。僕は大きくなったら君を迎えに行くよ」

「そ、それって?」

「愛の告白」

私は、顔を真っ赤にさせてしまった。