「どういうことだよ。何で俺が生徒会に入らないといけない。お前と一緒なんてやだぞ…」

「俺の決めたことに逆らうのか」

時夜君は、立ち上がると先輩の胸ぐらをつかむ。

(時雨先輩!)

「ふざけんな!俺はお前のおもちゃじゃねぇんだよ」

「俺の決めたことに逆らうなら、俺を越えてみろ」

先輩は、時夜君の掴んでいる手をつかむと、背負い投げで時夜君を後ろへと投げ飛ばす。

「うわぁ!」

時夜君は、そのまま壁に激突した。

「兄に手をあげるなんて、百年早いぞ」

「くっ…。くっそ」

「じゃぁ、決まりだな。あと一人はーー」

先輩は、何事もなかったように名前を書いていく。

私は、時夜君が心配になり目を向ける。

「ち…。くそ兄貴が…」

兄弟なのに、仲が悪いんだ。

時夜君の頬に擦り傷が出来ていることに気づき、私は鞄から絆創膏を出して、時夜君に渡す。

「……。何だよ」

「頬、傷が出来てるから」

時夜君は、フードの中からじっと私の顔を見てくる。  

「な、なに?」

青い瞳、髪の色までも先輩に似ている。

「お節介な女だ…」

時夜君は、私から絆創膏を奪い取り頬にはる。

その時、時夜君の頭にチョークが直撃した。