でも時夜君からは、なんとなく今の先輩が会長になっているときの時雨先輩を感じる。

「じゃぁ、次稲美」

「は、はい!」

私は、立ち上がり言う。

「は、初めまして、稲美永久です。好きな食べ物は苺タルトです。よろしくお願いします」

ちゃんと言えたよね?

周りから拍手が上がり、私はホッとして椅子に座る。

「良かったよ」

「そ、そうですか?」

「うん、可愛かった」

ま、またずるい…!!

「先輩って、ずるいこと言いますよね?」

「そうかな?」

自覚がない…。

「じゃぁ、最後会長よろしく」

「はい」

す、すごい!直ぐに会長になりきった。

「知らない人は居ないと思うが、生徒会長の煌時雨だ。よろしく」

かっこいいなぁ、時雨先輩。

「うん。さすが会長。んじゃぁ次はこの中から三人生徒会メンバー決めるぞ」

「え?」

え、特進科の中で決めるの?

「じゃぁ、あとは会長からの指名で」

先生の言葉にみんなざわつき始める。

「それでは、俺が指名する。今年からは一年生、二年生関係なく生徒会に入ってもらう」

てっきり二年生がやるのだと思ってた。

まぁ、私が選ばれるわけないしね。

「一年生から二名、二年生から一名だす」

先輩は、黒板に名前を書いていく。

「まず、一年の煌時夜」

みんなは、時夜君の方に目を向ける。

寝ている時夜君だけど、名前を呼ばれると顔をあげた。

「時夜、お前には生徒会に入ってもらう」

「……はぁ?」

時夜君は、先輩を睨み付ける。