「大丈夫だよ」

「永久がそう言うならいいけど、何かされたらちゃんと言いなよ!」

「うん」

どうしよ、架純がお母さんに見えてきた。

とりあえず、架純と別れ席につく。

そろそろ先生が来る時間だ。

私の席は、一番後ろだから、教室の全体が見渡せた。

「良かったね、友達と一緒で」

「え?」

先輩が小声で言う。

「は、はい!」

「それに、隣が君で嬉しい」

な、何で先輩は素直にそんなことが言えるのかな?

「わ、私もです」

先輩に素直に言われると、私まで素直になってしまう。

「ありがと」

先輩の笑顔は、凄く可愛い。

(でも、この笑顔やっぱり)

遊園地であった男の子なのかな?

「あの先輩!」

「ん?」

「聞きたいことがあるんですけど」

早く確認したい。

先輩があの男の子なのか。

「あの先輩はもしかし「おーい、じゃぁ席につけ」」

タイミング悪く、先輩が教室に入ってきた。

(タイミング悪かった…)

「や、やっぱり何でもないです」

「なら、いいけど?」

焦っても仕方ないか、もう少し落ち着いてから聞こう。

私は、溜め息をつく。

そんな私の姿を、先輩は心配した表情で見ていた。

「よし、みんな居るな?このクラスの担任きなった倉戸正樹(くらとまさき)だ。新入生の諸君よろしく」

なんか、真面目そうな先生だなぁ。