「か、架純?!」

「良かったぁ永久、特進科だったんだね」

「う、うん…」

先輩の「居る」ってことは、こういうことだったんだ。

私は、チラッと先輩を見る。

先輩は、私の方を見ると微笑んでくれた。

その笑顔に、私は釘付けになる。

「永久?顔赤いけどどうした?」

「な、何でもないよ」

「なら、いいけど」

「う、うん」

私は、黒板に書かれた番号を確認し席につく。

それで、その隣の人がーーー

(まさかの、時雨先輩…)

どこまで縁があるのかな?

でも、先輩が隣で良かったと思える。

「お前が、俺の隣か」

「は、はい。よろしくお願いいたします」

「かしこまらなくていい、普通にしろ」

「は、はい」

あと、今の先輩は会長になってるから、ちょっと話しかけづらいけど、先輩は私のことを気にかけてくれる。

「永久、災難だね」

「なにが?」

架純が私の耳元で小声で言う。

「だって会長の隣だよ。何言われるか分からないし」

そうだった、架純は先輩の素顔を知らないんだった。

私は、もう先輩の素顔を知っているから、怖くなんてなかった。