「大丈夫、ちゃんと居るから」

「えっ?」

居るってどういうこと?

「君は一人じゃない、僕が居るんだ。何かあったら頼ってね」

「は、はい」

会長が見方ってことは、かなり心強いことだよね。

それに、先輩の頼ってもいいんだよって言葉が、なにより嬉しかった。

特進科のある最上階につき、私たちは教室の扉の前で止まる。

「ちょっと待ってね」

「え?」

先輩は、目をつぶり息を吐く、表情を変えた。

(そうだ、この学園では先輩はこうなんだ)

「永久、教室に入るなら、俺の少し後にしろ」

「は、はい!」

まだ会長モードの先輩になれてないから、緊張しちゃう。

「いい返事だ。俺の指示には従ってもらう」

「ど、どういうことですか?」

「質問はあとだ」

先輩が教室の扉を開けたとき、さっきまで賑やかだった教室が、一瞬にして静まり返った。

(さ、さすが先輩…)

そうだった、特進科のクラスは、二年・三年一緒なんだ。

先輩が席につくのを見届け、私は教室に入る。

「永久!!」

「ええ!」

教室に入ったとき、急に誰かに抱き締められた。