「ほんと、意地悪なやつ…」

私と御影が会ったのは、私が遊園地で男の子と会って二年後のことだった。

『藍澤御影です。永久お嬢様、どうぞよろしくお願いいたします』

『……』

その時の御影は、凄く大人しそうで、クールに見ていた。

歳は私より四つ上で、一人だった私の傍に居てくれた。

「どうやって笑うようになったんだっけ?」

まいっか、早く食べて学園に行こっと。

その頃、廊下を歩いていた御影は、私の部屋の前で立ち止まった。

「俺は、お嬢様が幸せならそれでいいですよ。たとえ、叶わない恋だとしても」

御影は、それだけ言うと部屋の前を通りすぎていった。

朝食を取り、車に乗り学園へと向かう。

(時雨先輩は、私のどこを好きになったんだろう)

機会があったら聞いてみたいなぁ…。

校門前で車は止まり、私はクラスへと向かう。

「えっと、特進科クラスは…」

「特進科クラスに行くの?」

「え?」

声をかけられ、振り替えってその人をみたとき、私の頬は赤く染まった。