僕の小さなお姫様

「怖かったなぁ、あの会長」

「そうだね…」

怖いっていうよりか、迫力が強すぎだった。

「でも、あの会長あれでも理事長の息子なんだって」

「この学園の?」

「そう」

確かに言われてみれば、学園の名前に「煌」が入っている。

「さて、永久帰ろっか」

「うん、でもごめん。私寄るところがあるから」

「そう?じゃぁ、またね」

架純は、鞄を持って教室から出ていった。

窓の外を見ると、たくさんの高級車がそれぞれ止まっていた。

「さて、行こ」

私の寄るところと言うのは、あの桜の木だった。

もしかしたら、もう一度先輩に会えると思ったから。

「それにしても、似てたよね」

やっぱり双子だったりするのかな?

「うーん」

でも、三年生だから私にはあまり関わりのないことだ。

一年生と三年生だから、特に会う機会もないし。

特進科クラスなら別だけど。

そんなことを考えながら、桜の木の近くの壁を曲がったとき、私は人とぶつかった。