僕の小さなお姫様

「え?」

そして、持っていた式辞の紙を放り投げた。

(ど、どうしたの?)

「今日は、入学式だから、大人しく話していたが、もうやめだ」

会長は、マイクを片手に持つと、大きな声を張り上げた。

「おい!新入生の寝ているやつら起きろ!!!」

その声のおかげなのか、寝ていた人たちは驚いて目を覚ます。

「この俺が話をしているのに、寝ているとはどういうことだ!!」

こ、こわっ!!!

やっぱり、架純の言った通りの人だ。

こんな野蛮そんな人が、時雨先輩なわけがない。

「いいか、この学園のトップは俺だ。俺の決めたことには従ってもらう。それに、俺が話すときは誰も話すな、寝るな、以上!!」

会長は、マイクを元に戻し、ステージから降り先生たちに軽く頭をおろすと、自分の席についた。

この状況で先生たちが何も言わないとなると、先生たちもが会長を恐れているってこと?

(な、なんという俺様…)

会長の隣では、副会長らしき人が顔を手で覆って沈んでいた。

(副会長、お気の毒です)

そのとき、会長が私を見ていたことに、私は気づかなかった。

入学式が無事に終わってはないけど、とりあえず終わり、私たちは教室に戻ってきた。