ーーキーンコーンカーンコーン

チャイムがなった。

帰宅部の私はすぐに下校する。

本当は小柳君の部活を見て帰りたいくらいだけど。

残念ながら現実の中学生は漫画のように男子の部活をキャッキャッと応援する子はいない。

帰り道でも考えてしまうのは小柳君のこと。

今日彼がしてた話、あの甘くて優しいしゃべり方、授業を受けているときの水彩画みたいな彼の横顔。

目を閉じなくたって思い出せる。

ああ。好きだなぁ。