居場所をください。




「ってか愛翔のおごりなんだから

もっと高いもん食えばいいのに。」


貴也が私に言った。


「値段じゃないの。

こういうのは気持ち。」


「欲がねーな。」


「ここのお店は味のわりに安いよね。

マスターの欲のなさには驚くよ。」


がらがらだし。



「今日は美鈴なにしてた?」


「お昼まで仕事で、午後は買い物行ったら

学校サボってる貴也と朔也と会って

夏音が風邪で学校休んでるって言うから

お見舞いに行ってきたよ。」


「へぇ。

あいつら学校サボったのかよ。

まぁ意外でもなんでもないけど。」


うん、見た目通りだね。


「朔也、髪の毛赤だったよ。」


「相変わらずだな。」


「だね。」