居場所をください。




カランカラン…


「いらっしゃい。

今日は遅いね。」


「さっき撮影終わったしな。

美鈴の指名でここ。」


「マスターの料理が食べたくて~。」


「はは、ありがと。」


私たちはいつもの

奥から二番目のソファ席へ座った。


ここが貴也の指定席なのだ。



「愛翔くん、なにする?」


「おすすめある?」


「マスターの料理は全部おいしいよ。」


「じゃあ貴也と一緒の。」


「なんで俺なんだよ。」


「いいじゃん。」


「…美鈴は?」


「野菜スープ。」


「だと思った。

じゃあハヤシライス2と野菜スープ。」


「はいよ。」


ハヤシライスも、貴也の定番だ。