居場所をください。




ん……………?


「美鈴、なにしてんの。」


そうやって笑いながら私に言うのは


「え、隼也?

え、なんで!?

舞台だっていってなかった!?」


「嘘に決まってるじゃん!

長曽我部さんに頼まれたからさ。」


隼也、長曽我部さんの名前だしても

みんなわかんないよ。


「それに貴也まで…。」


貴也もすっかり営業スマイルで

隼也の横に立っている。


「びっくりした?」


営業用貴也は今となると違和感しかない。


「びっくりしすぎてなにも言えない…。」


だって朝普通に別れたよ。


「俺も長曽我部さんに頼まれたんだよ。」


「二人とも長曽我部さんの名前だしても

来てくれたみんなはわかんないよ。」


「あぁ、そうだね。」


「それにしてもすごいケーキだね。」


……………隼也も貴也もすごい。別人。


「ねぇハル。これ溶けない?」


「そりゃあ溶けると思いますけど。」


「みんなで写真とらない?」


ユリ姉の意見に


「あ、いいね!とろとろ!」


賛成した私は


「長曽我部さーん!」


カメラマンを呼んだ。