居場所をください。




「……………で、お前はなんで来たわけ?」


部屋に戻るとソファに座る愛翔くん。


「事務所に呼び出されて帰宅したら

俺のアパートにもマスコミきててさー。


俺恋愛禁止じゃん?

もうめんどくさいしこっちきた。」


「だからなんで俺んちなんだよ。

だいたいエントランスでちゃんと押してから来いよ。」


「ちょうど開いてたし。

明日撮影一緒だしちょうどいいやと思って。」


「他のやつらのとこいけよ。」


「あのメンバーみんな実家じゃん?」


「だからって来んなよ。」


「ま、いいじゃん。

俺も明日乗っけてって。」


「はー?」


「俺明日迎えなかったしちょうどいいわー。」


「……………泊まってくわけ?」


「じゃなきゃ来ねーし。」


「まじ無理。帰れ。」


「俺に冷たすぎ!

美鈴ちゃんはいいのかよ。」


「だいたい寝るとこねーし。」


「ソファでいいし。」


「布団ねーよ。」


「暖房あれば大丈夫。」


「……………あの、私部屋から毛布持ってこようか?」


「え!まじで!?」


「いいよ、こんなやつに。」


「でも風邪引いたら撮影困るじゃん。

私持ってくるよ。」


「美鈴ちゃん優し~!

貴也も見習え!」


「黙れ。」


仲良いんだな~。

貴也がここまで素を出してるなんてね。


「じゃあ部屋行って毛布持ってくるね。」


「悪いな。」


「いーよ。」


私はまた貴也んちを出て自分の部屋へ戻った。